やっと唇が離れると、あたしは大きく息を吸う。


神城くんは余裕の笑みで意地悪っぽくあたしの唇を指でなぞった。


「ごちそーさま」


気持ちが止まったままで、一人でドキドキして胸が苦しくなる……


神城くんは平気なの……?


あたしは……あたしは、ツライかもです…。


「な、なんでこんなことするの……?キスは…好きな子とするものじゃ……」

「そーだな。つーか、早く風呂でも入って来いチビ!」

「はっ、はい…!」


あたしの顔を見て話してくれない。


背中を向けたまま。


話しは逸らされるし………。


あたしだけこんな切ない思いにさせるって、神城くんはどこまで意地悪なんですか?