《恋華side》
楽しかったな……初めてのハワイ。
夕陽が沈みかけるオレンジ色の海を遠くまで見詰める。
そのあたしの隣にはハワイで出来たお友達の莉理ちゃん。
「んーっ!この時間が一番好きかも……。夕陽キレイでしょ?」
「うん!すごくキレイ……。もう帰るって寂しいなぁ~……」
「あたしもだよ!せっかく日本人の友達出来たのに……。また会いに来てよね!」
「絶対に行くよ!」
莉理ちゃんは大きなかわいらしい瞳に涙を溜めてくれる。
感受性豊かですごくいい子。
こんなお友達を紹介してくれた神城くんに感謝しなきゃね。
「ねぇ、恋華。聞きたいことあるんだけど……いい?」
ニヤッと怪しく笑ってあたしに寄る莉理ちゃん。
いきなりどうしたの~!?
「伊月のこと好き?」
「……はぃー!?好きも何も……神城くんにとってあたしは駒兼おもちゃでしかないし…」
「いーやっ!絶対に伊月は恋華のこと大好きよ!loveの方でねっ♪」
ヤバイよ……あたし……。
外の暑さのせいか分からないけど、身体が熱を帯びていく。