あぁ……どうしよう。
さっきまで、あんなに眠たかったのに馴れない布団は眠れない……。
何回も寝返りをうち、モゾモゾしてしまう。
「……チビ?寝れないの?」
「馴れない布団は苦手です…。でも、気にしないで……きやっ…!」
神城くんはあたしの布団を雑に剥ぎ取り、お姫様抱っこで隣のベッドにドスッと降ろされる。
かっ、神城くんにお姫様抱っこされた~!?
「俺んとこで寝ろよ……。少しは安心して寝れんじゃん?」
「あたし邪魔になるからっ…向こう戻るよっ」
「いいから、ここで寝ろっつてんの!駒なら言うこと聞けよ…」
あたしの頭をくしゃっと撫でて、抱き寄せられた。
ドキドキして逆に眠れませんよっ!!!
「あのっ……神城くんっ…」
「黙って寝てろ!マジで襲うよ?」
そんな切なげな声の神城くんの心音が、よく聞こえる。
あ………鼓動が速い。
神城くんもあたしと同じ気持ちかな?