1週間分の荷造りをして夕方家の前で待ってると、黒塗りの高級車が停まった。


「お久しぶりでございます。恋華様」

「お久しぶりです……。あ、ありがとうございます!」


運転手さんにドアを開けてもらい車に乗れば、涼しげな顔で乗ってる神城くん。


「どうしていきなりあたし何か……」

「俺の駒だから。連れてくの当たり前」

「ほんとにお金ないんですけど!」

「だから気にすんなって。別に金掛かることなんてねぇし」

「へ…?」


あたしが聞き返すと、呆れたような顔で不機嫌そうに答えた。


「飛行機は俺んちの。んで、別荘あるから宿泊費ナシ。分かったかチビ」

「いたっ!」


デコピン痛い!


涙目で神城くんを見ると、なんて楽しそうな顔してるんでしょう!