静寂に包まれて夜景に見とれていると、ふわっとあたしの手を握る伊月くん。
抱きしめてくれたり、手を握ってくれたり……
今日の伊月くんはとても積極的です。
「………なぁ」
「んー?」
「これからお前を幸せにしてやるけど……。ずっと俺の側にいてくれるか?」
「へ?そんなの当たり前だよ。あたしが伊月くんから離れられないもん」
あたしの頭を優しく撫でてくれる伊月くんは、そっと唇にキスをして………
大切に言葉をつむぎながら囁いた。
「4年前の約束……覚えてる?」
「あ……うん。もちろんです」
「俺と結婚してくれるか?俺……お前の全部がほしい」
返事をする前に重なった唇。
今度は深くて甘い………溶けてしまいそうなキス。
あたしを引き寄せて離さない。
やっと唇が離れた時には左の薬指にキラッと光るシルバーリング。
「好きだ………」
「あたしも」
性格も境遇も環境も全く正反対なあたし達の恋。
けっして真っ直ぐな恋じゃなかったけど、あなたのおかげで幸せです。
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