だけど車を降りた時にすぐあたしの不安は解消された。


春風が少し冷たいけど、あたしは何よりもここからの景色に心を奪われる。


「うわぁ~………さっきの街並みがこんなに小さく見えるなんて…。ネオンがキレイ…」


小高いこの場所からは、ネオンで輝く街並みが夜景としてキレイに目に映る。



「キレイだね!伊月くん」

「そうだなぁ。……誕生日おめでと。この景色誕生日の今日だからこそ見せてやりたかった」

「ありがとう。すっごく嬉しいよ!ほんとにキレイ…」

「お前の方がキレイ……とか言ったら喜ぶタイプ?」

「バカにしたように笑わないでよ~!」


そりゃあ、伊月くんみたいなカッコイイ人に言われたら……喜ぶけど。


完全にバカにしてますね!!


拗ねたあたしを見兼ねて、ギュッと後ろから抱きしめてくれた。


背中が温かいです……。