卒業式が終わってしんみりとした教室に戻ると恋華は目を真っ赤にして俺の後ろに隠れる。
大和もうららちゃんも泣いてて、こう……なんか雰囲気が暗すぎだな……。
「うらら。みんな、卒業おめでとう」
俺らが振り返ると、見た感じ100本以上の薔薇の花束を抱えた薫さん。
「うぇ~んっ……薫ぅ~……」
「泣きすぎだよ?うらら!そんな泣き虫にはそれをあげる」
「うわ~……薔薇の花束♪ん?これって……指輪?」
「そろそろ俺の側にいてくれない?奥さんとして、ね」
「薫ぅ~!大好き~!奥さんになるっ!」
まさかの公開プロポーズ!?
教室に残っている数人のクラスのヤツら、みんなポカーンとしてるし……
無論、俺らもなんだけど。
「俺らも空き教室行こーっと……。またな、大和」
「ひどい!みんなイチャイチャしやがって……菫来てくれねぇよな~……」
「あれ?大和くん!菫ちゃんです!」
「……どーせ情けない顔していると思ったから来たわ。これで満足?」
「菫~!やっぱり俺の彼女は最高~♪」
そんなイチャイチャするヤツらを通り過ぎて思い出深い空き教室に行く。
俺が恋華を好きになるキッカケになったような場所。