ずっと寒かったのが嘘みたいに、快晴で暖かい外。
「今日でこの通学路も最後ですね。行ってらっしゃいませ、伊月様」
「……3年間ありがとな。柳田」
「こちらこそ……」
柳田には毎日毎日送り迎えしてもらって……
運転手だから当たり前かもしれないけど、3年間もありがたい。
桜の木の下を通って最後の学校に入る。
校門には『卒業式』と達筆に書かれた看板。
ほんとに最後なんだなぁ~……。
少しは実感湧いてきた。
「伊月!おはよっ!」
「ん?あ、大和。おはよ」
「ったくテンション低いなぁ~!……恋華ちゃんのこと気になる?気になるよね~!」
「もったいぶるなバカ!」
恋華の様子見て来てほしいって大和に頼んだ。
直接会いに行かなかったのは、ちゃんと父親と話をつけてから会いたかったから。