「俺ね、伊月に恋華の様子見て来いって頼まれて来たの」

「伊月くんが……」

「ほんと素直じゃねぇのな。好きな子の顔くらい自分で確かめに行ったらいいのに!」

「大和。言い過ぎよ」


大和くんの言う通りだよ。


わざわざ、頼まないで直接会いに来てくれればよかったのにな……。


少しへこむかも。


「ちゃんと父親と解決するまで恋華に会わないつもりなのよ。少なからず伊月はそうゆう男ね」

「あたしに会いたくないとか…」

「そんなわけない。恋華のこと好きでしょうがないヤツだもの」


菫ちゃんの言葉に安堵のため息。


会いたいのは山々だけど、伊月くんは筋を通す人。


中途半端なままにするのが嫌なんだよね。



「まっ!元気出して!泣くのは明日だろ?」

「そうよ。どっちにしろ卒業式で伊月に会えるじゃない」

「うん……ありがとう、二人とも!」


伊月くんはどうですか?


あたしは伊月くんに会いたくてたまらないよ。