しばらく車に揺られて、すごく背の高いホテルに着いた。


いかにも高級そう……。


ワンちゃんを抱き抱えて一歩ホテルに踏み入ればセレブの世界。


恐る恐るフロントに行った。


「あ、あの……コレ…」


伊月くんに渡されたカードを見せると、冷たい表情だったフロント係が一気に微笑む。


あからさますぎです!


「ようこそいらっしゃいました!お部屋にご案内致します」

「は、はい……」


ワンちゃん連れてて大丈夫なのかな?


そこのところ疑問だけど、とりあえずフロント係のお姉さんに着いて行く。



「神城様のお部屋はこちらになります」

「どうして神城って……」

「カードに記入されてるではありませんか」


よくよくカードを見れば“Kamisiro”とシルバーのキラキラした字で記入されてた。


伊月くんカッコイイ~……。


お部屋も、もちろんスイートルーム。


広すぎて逆に落ち着かないんですが!!


「しばらくここにいるんだって。ワンちゃん」

「ワンッ!!」

「一緒に伊月くんの帰り待とうね」


寂しくてもこの子がいれば大丈夫!


あたしも頑張らなきゃ。