ホテルを出ると、既に黒塗りの車が2台停まってた。
伊月くんには柳田さんが。
あたしには初老の男性の運転手さん。
「じゃあ……恋華のこと頼むわ。お前はホテルに行け」
「ホテル……?」
「ホテルのフロントでコレを渡せば通してくれるから」
ゴールドのピカピカした英字のカードをもらった。
何だかすごくセレブって感じ!
「どうぞ、恋華様」
「ありがとうございます!」
運転手さんがドアを開けてくれて、広々とした車内に入れば……ワンちゃん!!
「かわいい~♪これから一緒にいれるんだねっ」
「ちゃんと恋華に面倒見てもらうんだぞー」
伊月くんが撫でれば気持ち良さそうに目を細める。
早くあたしにもなついてほしいな~。
とゆうか……伊月くんは大丈夫なんだろうか。
そんな不安が過るけど、あたしはただ信じて待つことしかできない。
もどかしいね。