寝不足のまま自然と目が覚めた朝。
あたしの隣にはスーツを着てる伊月くんの後ろ姿。
「おはよ……伊月くん…」
「おはよ。体の調子は?」
「寝不足なだけです…」
「だって恋華かわいすぎるから。1回じゃ満足しねぇっつーか……」
「も、もういいからっ!」
朝からなんで、こんなにドキドキしなきゃないの~!?
ゴロンと寝返りを打ち、あたしもドレスに手をかける。
これからどうするんだろう………
不安になっちゃダメだよね?
「恋華。お前に一人、運転手付ける。今日から少し別行動な」
「え……?」
「そんな不安そうな顔すんなって。ちゃんと恋華のとこ帰って来るから」
優しく笑ってあたしをギュッと抱きしめる。
あたし……どうすればいいの?
「恋華にはしばらくの間、ホテルに住んでてもらう。前見せた犬と一緒にな。寂しくないだろ?」
伊月くんは全てお見通し。
あたしが寂しがりなこともね。