《恋華side》



黒のスーツを着た伊月くんと、ふわふわの黒のドレスを着たあたし。


大きなベッドの端と端に座る。


スーツとドレスでこうゆう場所に入ると、気まずいのですが………。


「恋華。とりあえず……シとく?」

「何をですか?」

「エッチ」

「バカ」


さっきのカッコイイ伊月くんはどこ!?


今は、これからどうするべきか考えなきゃ……


伊月くんがあたしと一緒にいてくれる道を選んでくれたのは嬉しいけど………


きっと、お父さんはご立腹なはず。


自然とため息が出てしまう。


「そんな悲しそうな顔すんなよ。せっかく一緒にいんのに」

「そうだよね……うん、ごめんねっ」


伊月くんはあたしの隣に来て頭をポンポンと撫でてくれる。


あたし達は二人っきり。


ほんとに逃げて来ちゃったんだ……。