夜7時になりパーティーは開演。
俺と俺の両親、それから菫の両親と菫本人だけが壇上に上がる。
誕生日パーティー兼入籍パーティーとして。
「本日は息子の誕生日を祝っていただきありがとう。そして宮本家ご令嬢との入籍日でもあり──……」
俺の隣でポーカーフェイスの菫。
菫には、大和と一緒にいたいって気持ちはないんだろうか。
……少なからずあるよな。
それをぐっと、こらえてんだ。
俺は菫ほど大人じゃねぇみたいだな……。
「次は神城家ご子息の伊月様によるお話です」
司会が俺の名前を呼んだ時、父親がスレ違い様に耳元で囁く。
「余計なことは言うな。全て台本通りに……できるな?」
軽く頷いて前に出た。
マイクの前に立ち、恋華を探すけど光で全く人の顔が見えない。
よし……話すか。