マンションに帰りあたしが作ったのは、ちょっと酸味の効いたナポリタン。


ごめんなさい……ケチャップ入れすぎました。


「……どうかな?酸っぱいかも…」

「いや、普通にうまい。全然食えるから」

「ほ、ほんとに?無理しなくていいよ?」

「してねぇよ」


何だかんだ言ってやっぱり伊月くんは優しい人。


あたしが逆に気を使わせちゃったかな?


今度はすごく美味しいの作るからね!


期待しててほしいな……。



遅めの昼食を終えてからは、特にすることもなく伊月くんがあたしのお家でダラダラ。


もちろん、あたしもその隣でダラダラ。


空がだんだんと暗くなってきた頃、いきなり伊月くんが言い出した。


「外行くか」

「この時間帯は寒いですよ?」

「俺が外に行きたいから。黙って俺に着いて来い」


なんで、そんなに嬉しそうな顔してるかな~?


外出ても寒いだけで何もないのに。


あたしはコートにマフラーで完全防寒対策で外に出た。