ビクビクしながら背中を向けて歩き出す。
だけど、残酷に背中に掛けられる声。
「あれ?百合岡さん?」
「あっ……ひ、久しぶり…」
「久しぶりだね~!中学卒業して以来会ってないもんね」
「そうだよね……」
お願いだから受験のことは聞かないで……。
首席を張り合ったくらいだもん。
有名な難関大学に合格してるはずでしょ?
「百合岡さん!聞いてよ~……あたしね、第一志望ダメだったの…」
「えっ……ほんとに?」
「ほんとよ。悔しいけど前向きにならなきゃダメだから、頻繁に外出歩いてるの!」
「あ、あたしも……ダメ、でした。一緒!」
「仲間じゃ~ん♪ちょっとこれから前向きに頑張ろう!」
あたしの視野が狭かった。
後ろ向きすぎたから……少しずつでも前向きになろう。
伊月くんを見れば「よかったな」って、あたしに笑い掛けてくれる。
頑張らなくちゃ!