《恋華side》



夢の大学生活は儚く崩れ落ちてしまった。


大学受験は……ダメ…でした…。


せっかく慰めに来てくれた伊月くんにも、イライラして当たってしまう……。


ごめんね……。


それなのに毎日家に来てくれて他愛のないお話をする。


この時間がけっこう大好きだったりします。



「恋華~……。会社のこと父親に言うにしても本人がアメリカ行っててダメなんだよ」

「そっか……。で、でも大丈夫です!急がないから……」

「はぁ~……まぁ、受験の話はやめっか」

「え?」

「別に話してても何も面白くねぇだろ?だったら他のこと話してた方が、まだいい」


あたしの傷心をえぐらないように、受験の話はそこまでしない。


こうゆう気遣いが、とてつもなく好き……。


普段は俺様なのにねっ。



「退屈だなぁ……二人でどっか出掛ける?」


突拍子もないことを言い出すのに変わりはないけど。


しばらく外に出てないし………


これじゃあ、ダメだよね。