無理に前を向かせようとしない。
恋華が笑ってくれるまで俺が、全力で支えてやればいいだけの話。
お前の笑顔見れるなら毎日でも愚痴の相手してやるっつーの!
「伊月くんは毎日あたしの家に来てくれますね」
「どーせ家にいても暇だし。父親から煙たがられるだけだ」
「そっか………。あたしも…親に煙たがられるのかな?」
「どうして?」
「だって……受験ダメで……進学先も就職先も決まってないなんて…最悪じゃないですか」
確かに煙たがられるかもしれない。
扱いだって変わるかもな。
実際、人間ってそんなもんだろ?
「でも……恋華は大丈夫だ。もし、そうなったとしても俺がいるじゃん?」
「へへっ……そうだねっ」
「久しぶりに笑った顔見た。やっぱ笑顔の方がマシだな」
「マシってなんですか~!?」
言い返せるだけの元気取り戻したんだな。
これで一安心。
ただ、引っ掛かるのは恋華の進学先。
浪人生になるのか、就職するのか………。
俺でサポートできるもんなら、してやりたいし。
あとは本人次第ってとこ。