合格発表からたったの数時間しか経ってないのに泣き腫らした目。
俺の腕の中でずっと泣いてる。
「もう……あたしどうしたら…っ……うっ、う、うわーんっー!!」
「もう泣くなって……目痛くなるぞ」
「伊月くんはいいですよ……落ちる苦しみなんて分からないから…っ」
「そんなこと言ったってな~……」
卑屈になる気持ちも分かる。
だけど、卑屈なままなら無意味。
どうにかして恋華の元気を引っ張り出してやらねぇと……。
「なぁ、恋華。気分転換しに行くか?」
「気分転換…?」
「受験のことなんて忘れさせてやるから。だから泣くなよ…」
「行きません!……そうゆう気分じゃない…。自分の将来じゃないからって軽く考えないで…」
俺の提案がむしろ逆効果。
もっといじけて泣き始める恋華。
恋華ことを思って言ったつもりなのに、同じ立場になったことない俺は空回り。
もう強行突破するしかねぇな。