窓の外を見渡すと、澄んでキレイな青空が広がる。
こんなにキレイな青空を見てるとあたしまで自由になった気分……。
「これで恋華の望みは叶ったか?」
「もう十分に叶ったよ……。空がこんなにも近いんだもん!」
「ははっ、そっか。じゃあ次は俺の望み聞いて?てか聞け」
「め、命令形ですか……」
ホテルの広いリビングのど真ん中であたしは伊月くんに抱きしめられた。
ギュッと力強く。
「1日だけでいいから、俺の側にいろ。今日は寮に帰さない」
「でも……そんなことしたら寮長さんに怒られます」
「神城グループナメんなよ~」
「え?」
「恋華の外泊届けはもう寮に提出済みだから、安心して泊まってけ♪」
俺様お坊っちゃまには、つめの甘さなんて一切ない。
久しぶりだし……
あたしも伊月くんの側にいたいな。
ギュッと背中に手を回して、抱きしめ返す。