窓の外から見える景色は、まるで寮とは逆方向。


なんだか高い建物がいっぱい……。


つい珍しくて見いってしまう。


「そんなに珍しいか。アホ面しやがって」

「……こんなに建物が高いとキレイな青空が見えないから…」

「お前やっぱ不思議ちゃん。でも、なんなら青空見せてやろっか?」


この言葉の意味を理解できなくって……


あたしは不思議ちゃんでもないし。


青空なんてどうやって見るの?


あ、山に登るとか!?



だけど、しばらくして着いたのは山とは真逆の超高級ホテル。


高い高いたかーい!!


伊月くんは受付にいる外人さんとお話してからあたしをエレベーターで最上階まで、連れてってくれた。


金色の装飾品が施された高級そうなドアノブ。


伊月くんにとてもお似合い。


「入って窓見ろ。そしたら、恋華の見たいモノ見えっから」


言う通りに真っ直ぐ直進すれば、目の前には広すぎるリビング。


リビングを全体的に囲むようにしてあるオシャレな窓。