無我夢中で抱きつく。


伊月くんの香水の匂い……


そして優しい温もり。


全部全部全部………大好きなんです!


「傘忘れるとかバカだろ。お前やっぱ留学とかダメだな」

「失礼なっ!思いの外充実してますよ~」

「ふーん……じゃあ、俺が無駄足だったか」

「そんなことないです!!」


伊月くんが来てくれなきゃ、寒い中リナちゃんを待つか、びしょ濡れで帰るか……


究極の選択になっちゃう。


ほんとに困った時、伊月くんが来てくれた……。


すごいや……伊月くん。


「帰るか……。ずっと外いても風邪引く」

「はい!あ、あの~……でもどうしてこの場所が分かったの?」

「ん~……なんだろうな。勘?」

「勘で当たるもんですか!?」


伊月くんてエスパー!?


不思議でしょうがないけど、今は伊月んちの車で帰ります……。