12月特有の寒空の下を歩いて、柳田が待つ車に乗る。


「お帰りなさいませ、伊月様。……何か喜ばしいことでもあったのですか?」

「え?……俺、そんな変な顔してたか?」

「いえいえ。ただ強いて言うなら……少し楽しそうな表情に見えたので」


ケンカに参加して喜んでるわけじゃねぇけど……


中学の時を思い出して久しぶりにヤンチャなことしてた自分が楽しかった……ってゆうか。


イマイチこの感情を説明するのは難しい……。



「恋華様が留学されてから、寂しそうなお顔でしたので一安心です」

「そんな顔してねぇよ……でもさ」

「はい?」

「俺……冬休み入った瞬間ならアメリカ行くわ」

「……かしこまりました」


結局俺はお前を追いかけてしまう。


頭の片隅には必ず恋華がいるから。