「受験生とゆうことを自覚しろ。いいな?……まさか我が息子を叱る時がくるとは……」

「すんません……父さん。ほんとに友達助けたかっただけなんだよ、俺ら」

「はぁ~……これ以上の不祥事を起こさぬよう気をつけろ」


理事長室に呼び出しくらって、大和の父さんから注意を受けた。


ここの学校の理事長が友達の父親って俺、相当ラッキー。


結局、停学も退学もナシ。


今回のことはなかったことにしてくれた。



「うわ~……俺、すっげードキドキした!初めて理事長室に入ったし…」

「理事長が大和の父さんでよかった。そうじゃなかったら……」


理事長室を出た職員室前で翔大が、一人で薄暗い廊下にいる。


「あ……大和さん、伊月さん……すいません。俺が無責任なこと言ったから…」

「気にすんなって!理事長は父親だから!早く桃たんのとこ行ってやれ」

「桃たん心細いんじゃね?一人で事情聴取されてるけど」

「……ほんとにすいません……。俺、夕陽のとこ行って来ます」


珍しく反省の色を見せる翔大は驚くほど気持ち悪い。


恋華がいたら怒られたろうな……。


メールでもこのことは秘密。