まっ……経験上放っておいて大丈夫だろ。
かなりケンカ強いし。
「行くぞ、大和」
「え?手伝わねぇの~?かわいい後輩のこと」
「いいから。あ、桃たん……」
中庭の陰から涙をいっぱい溜めた桃たんが、不安そうな顔で翔大を見詰めてる。
さすがに可哀想かも……。
「心配すんな。お前の彼氏あんなんで、倒れねぇから」
「で、でも……。お願いですっ!翔くんを止めて下さいっ!」
「まかせろ!桃たん!俺と伊月が、パパっと掃除してやっからねっ♪」
「ありがとうございます!大和さん、伊月さん!」
……えっ…?
桃たんに向けられる期待の眼差し。
大和はテンションMAX。
気付けば、大和と二人でケンカに乗り込んで中庭にギャラリーが集まる。
こんなはずじゃなかったんだけどな。