俺らが話してても、真面目に大和が黙々と勉強してる。
明日雨…いや、雪でも降るんじゃねぇかって思うほど。
休み時間が終わった授業中だって、真剣に自習に取り組んでるし……。
「伊月はそんなに余裕かましてていいのかな~♪」
「余裕じゃねぇけど……。お前変わったな」
「違うって。俺はただ、留年したくないし……菫にも幻滅されたくないだけ」
「……やっぱ変わったわー…」
女なら誰でもいいようなコイツの口から出た一途発言。
ほんとに好きな女できたら人間性まで変わるんだな。
ビックリする。
「でも…勉強してると逆に自信なくすわ…。俺だけ留年なんてヤダな~」
「もし、お前が留年したら文化祭に顔出してやるから」
「嫌だ!保護者ヅラすんなよ~!」
「椎名……自習時間だ。静かに」
「す、すいませーん」
担任からのクレーム。
大和は生活指導引っ掛かってて担任の印象に強く根付いてる。
尚更、怒られやすい。