《伊月side》
「いきなり呼び出して悪いな」
「別に構わないけど……。何が目的?」
「大和の学力向上」
「バカ言わないで」
俺んちの車に菫を乗せて、真っ直ぐ大和んちに向かう。
恋華とうららちゃんはもう大和んちで勉強教えてる頃だろ。
菫も受験で忙しいせいか、少し気が立ってるな……。
「大和……留年するかもしれねぇんだよ。だから菫に手伝ってほしい」
「はい?あたしこそ受験手伝ってほしいのに……。それに…恋華は?」
「今日は一切、婚約者の件には降れるな。あくまで勉強だけだ」
「……分かったわ」
気まずい雰囲気を作るのは百も承知。
ただ、今だけでも『大和学力更正チーム』には菫の力が必要ってわけ。