うららちゃんは険しい顔でケータイとにらめっこ。


内容が気になって横目でチラッと覗くと『分りやすい物理学』って検索してる。


こうゆうとこが、うららちゃんの優しいところなんです。


「だーかーら!なんで公式入れてんのに答え違うんだよ!」

「知らねぇよ!伊月が、かけ算すれって言っただろ!」

「かけ算じゃねぇよ!約分すれって!」

「は、はぁ!?約分ってなんだよ…?」


男の子二人でのお勉強タイムは、かなりケンカごし。


見兼ねたうららちゃんが二人の間に入る。


どうしたら、大和くんの勉強に対する集中力が上がるかな?


「……うららちゃん。バトンタッチ」

「え``。……物理でも勉強しよっか~…」

「するする~♪」

「はぁー……教える前から自信ないよ!」


うららちゃん頑張れ!


お疲れ気味の伊月くんは、ソファーに座ってあたしの肩にコテンと頭を置く。


人前なのに大胆過ぎですから……!