ストーカー男の腕を捻り、見下した表情で突き飛ばす伊月くん。


男の子はすごい勢いで飛んでいった。


「い、痛っ……お前誰だよ!!」

「へ~……お前さ、俺のこと知らねぇでこの女に手出したの?……退学になりたいんだ」

「なっ、なるわけないじゃないか!父さんが金で防いでくれるっ……」

「俺にかかればお前の父親クビにできるけど………それでもいいなら、この女犯すなり好きにしな」


男の子は怯えた表情で、もつれる脚で走って教室を出て行った。


………よかった…。


あたし……無事だよ…。


つい全身の力が抜けて、床に座り込んでしまう。


「……なにしてんだよバカ女。早く立て」

「た、立てないよ……。脚に力が入りません……」

「はぁ~……。別れてんのに手かかる女だな、ほんっと」

「きゃっ…!い、伊月くん!?」


ふわっとお姫様抱っこで人のいない廊下を歩いて行く。


人がいなくてよかった……。


こんなに近い距離久しぶりだし、何よりドキドキしちゃう……。


これから、どうなるの!?