教室に二人なんて……誰も助けに来てくれるはずない。


怖いよ……。


伊月くん………助けて…!!


「百合岡さんって本当にかわいいね。その怯えてる顔、とか?」

「これ以上近寄ったら叫びますけど?…….貴方学校にいられなくなりますよ」

「大丈夫。だって……うちお金で解決するからさ」

「ズルイよ!そんなの!」


とうとうあたしの背中が、教室の窓ガラスに付く。


逃げ場がないから……


どうしよう……。


伊月くん……来てよ!!


「ほんっとにかわいい……。今日から僕のモノだよ…」

「手!はっ、離して下さい!」

「それは無理さ………うわぁっ!!」


ギュッと目を瞑るあたしの目の前で男の子の、だらしない声。


誰……。


期待の心であたしがゆっくりと目を開くとその先には……


やっぱり君でした。