《恋華side》
伊月くんと別れて1ヶ月……。
校庭の木々は満開の桜でピンク色に染まり、あたし達は高校生活最後の年になった。
相変わらず朝は、女の子達から伊月くんへの歓声が聞こえます……。
あと新しい彼女がいるって噂も……。
「ちょっと!朝から何暗い顔してんの~?」
「あ、うららちゃん……。おはよ」
「おはよじゃないわよ!暗いなぁ~……もうっ」
なぜだかあたしは伊月くんがいないと人間性まで暗くなるみたいです。
そんなことないと思うんだけどな~……。
考え事しながら人通りの少ない廊下を歩いていると後ろから声を掛けられる。
「あの!百合岡さん!」
「……はい?えっと……」
誰ですか?
と、答える前に顔を真っ赤にしてる男の子は焦って話す。
「ほっ、放課後……第2体育館来てほしい…」
まただ………。