伊月くんの態度が気にくわないのか、あからさま機嫌悪くなってる……。
ケンカだけはしないで…!
ケータイ取りに行くだけなのに!!
「ねぇ、恋華ちゃんさ~……」
「は、はい…?」
「俺が直々にナンパしてんだから振り向いて?」
「あっ……い、伊月くん…」
あたしの顔に近付く翔大くんを避けて伊月くんの後ろに隠れる。
俺様で生意気で自信家すぎますよ!!
「俺の女イジメんなよ~。昔っから、翔大は俺の女欲しがったよな」
「そうなんスよねー……。伊月さんとタイプが合いすぎる。いっつも、かわいい子連れてましたよね!」
「過去の女の話は恋華いる前ですんな」
「恋華ちゃんて気にするタイプ?伊月さんの女関係」
「……ひ、人並みにそこそこ…」
きっと、中学生時代の伊月くんはモテたに違いない。
でも今の彼女は紛れもなくあたしで……
伊月くんの女だから堂々とする!