そう言われてから時間が経った昼休みのこと。


いつも通り二人きりの空き教室。


お弁当を食べ終わってから、ブレザーのポケットに手を入れてケータイを出す。


ケータイ!?


「……伊月くん…。教室にケータイ忘れちゃいました!」

「じゃ、教室まで取りに行くか」

「大丈夫だよ!教室までの距離出し…ね?」

「恋華。俺って意外と独占欲強いみたいだわ……」


切ない声であたしを後ろから抱きしめてくる。


俺様な伊月くんが、こんな態度してるとあたしの調子が狂う……。


あたしは伊月くんにしか興味ないよ?


「教室まで着いて来てもらおうかな?」

「翔大のナンパ阻止してやっから。俺がいて……堂々とするかな」

「翔大くんだよ!?絶対にしてきます」


伊月くんがいようと関係ないんだから!


翔大くんは懲りないな~……。


二人で廊下を歩いていると、ほらやっぱり。


「恋華ちゃ~ん♪……伊月さんも!?」

「俺がいたら不都合か?翔大」


一気に二人の仲が険悪になってるんですが!!