それと同時に父親も若い女と再婚。
俺はそのまま私立中学に進級するなり、嘘で自分を固めるように髪を金髪に染めた。
まるで弱い自分を隠すかのように。
「伊月様……その髪の色はどうかと」
「どーせ父親は帰って来ねぇし。大丈夫」
「本日はご帰宅されますか?」
「ん~……いや、夜遅いから迎えいらねぇわ」
「……かしこまりました」
俺は父親と母親が別れた理由を知りたい。
そう、それは今だに知らない謎。
執事の柳田でさえ知らない。
父親と母親だけが知る。
いつか俺だって理由を知るために、父親と話し合おうと思ってるから。
そんな不安定な俺の側にいてくれるのは恋華。
もう大切なものは失いたくないんだ。