次の日の早朝。
母さんは家の隅々探してもどこにもいなかった。
泣くのを必死に堪えて最後の頼みの柳田の元へ走った。
「柳田!!か、母さんが……いない……。父様は仕事だろ!?母さんは…」
「……父上様はアメリカの会社へ戻られました。帰国は来年辺りだと……」
「なぁ……母さんは?」
「今月……父上様と母上様は……正式に離婚されていたのです…。これを父上様に伝えてほしいと言われてまして……」
こんなこと現実であるんだな。
急すぎる出来事が小学生の俺には重すぎた。
その日から、あまり小学校には行かなくなってサボリ状態。
「柳田。俺……母さんのとこ着いて行きたかった。なんで父様なんだよ」
「それは、伊月様が跡取りとして必要だったからです…」
「大人って汚いな……」
当たり前に俺は父親の血が入ってる。
どうせ、将来的に汚い大人になるなら今から腐ったって問題ねぇだろ。
中学に入ってからはヤンチャ気質は落ち着いた分、素行の悪さが悪化。