お疲れ気味のようだけど………


莉理ちゃんに言われた『あのこと』が心に引っ掛かる。


真相を聞きたい……。


でも……あたしなんかに話してくれる?


「伊月くん。あたしに……伊月くんの秘密教えてほしいのですが…」

「お前に隠し事なんてしてたっけ?」

「あ……えっと……莉理ちゃん曰く、人間性が落ち着いたキッカケとゆうか……」

「……莉理から聞いたのか?」


いきなり強張った顔になった伊月くんに、あたしはビックリする。


やっぱり……あたしが踏み込んじゃいけない場所だったの?


でも、あたし……


「伊月くんが抱えてる苦しいこと……聞きたい。あたしに聞かせてもらえませんか?」

「……ま、俺からも話そうと思ってたし。ちょーどいい。ここ座れ」


ソファーをポンポンと叩く。


あたしが座ると、ぐっと距離を縮めてきた。


「そんな緊張すんなって。俺のガキん時の話な」