《恋華side》



あたしは伊月くんの別荘に帰り一人ぼっち。


心細いけど、部屋の明かりをつけて経営学の勉強で疲れて帰って来る伊月くんを待つ。


その時、玄関から聞こえてくるカギが開く音。


「伊月くん……!」


あたしはリビングから玄関へと繋がる廊下を走り、勢いよくドアを開ける。


「おかえり~伊月くん!」

「ただいま、恋華。寂しかったんだろ?」

「少しだけっ」


あたしの頭を撫でて優しく微笑む。


その笑顔にドキッとするんだから………。


制服のネクタイを緩めた伊月くんはソファーにドカッと座った。


相当、お疲れ模様です……。


「何か飲みます?」

「ん……いつもの」


“いつもの”で通じるこの関係が堪らなく好き。


あたしはグラスに冷たいリンゴジュースを注ぐ。


俺様なのに飲むものかわいいです!