弱さを隠すために嘘で固める……


そんな弱い人間じゃねぇんだよ。


俺は確かにあの時から強くなった。


「そろそろじゃないですか?」

「あぁ……俺も考えてた。けっこう前から」

「全てを恋華様に話してもいい頃合いだと思います」

「ただ……やっぱ今だに思い出すわ……」


車中の窓から薄暗い空を眺めた。


その空の色が、より一層俺を寂しくさせる。


なにかに締め付けられるような……苦しい…そんな感じで。


「深く考えるのはやめましょう。あの時に約束しましたよね」

「ガキの俺に柳田が説得してくれたもんな…。その……あん時は感謝してる」

「いえいえ……。感謝されるほどではありません」


結局俺は昔から寂しかったんだ。


今は恋華がいてくれる。


全部話そうって思えるから。