《伊月side》
暑いのに制服着せられ、父親と会社視察。
ハワイに来てまでめんどくせ……。
ほんとなら恋華とデート三昧なのによ……。
つい我慢できない欠伸。
「神城グループの跡取りなんだ。自覚しろ」
「……はい」
父親はこんな俺に無理矢理、会社継がせる気か?
俺が社長になったら一発で潰れるぞ。
そんなやる気のない俺と、父親の前にバシッとスーツを着こなした数人の男性社員が来た。
まぁ、社員って言っても幹部クラスのヤツらだろ。
「ようこそ!お待ちしてました!神城社長!お久しぶりですね」
「あぁ……久しぶりだな。今日は経営学を学ばせるために息子も連れて来た」
「これはこれは!大きくなられて!最後にお会いしたのは……まだ7歳ほどの時で?」
「そうですね。……多分」
俺、こんなおっさん知らない。
会った時の記憶なんてねぇよ!
つーか、7歳でこんな会社来てたんだな俺。