駅ビルからまたバスに乗って、恋華の家に向かう。
柳田に迎えに来てもらおうか悩んだけど、今日だけは恋華に合わせる。
車よりバスの方が長く一緒にいれる気がするし。
「ごめんなさい……今日はたくさん付き合わせちゃったから……疲れたよね?」
「ん?……あぁ、疲れた。でも……その分お前のおかげで楽しめた」
「ありがとう……。伊月くんはほんとに優しいです」
「そりゃどうも……」
俺は恋華の肩にコテッと頭を乗せて目を閉じる。
小さく俺の名前を呼ぶ声。
眠たい……。
そんな眠りかけの俺の耳に聞こえた言葉。
「伊月くん……大好きです。とっても……大好きなんです…」
その言葉、俺が起きてる時に聞きたい。
嬉しくなった俺は、恋華の唇にキスしてやった。
「それ、寝てる時に言うの反則」
「お、起きてるじゃないですかっ…!」
「かーわいい…」
顔を真っ赤にして怒る恋華にまたキス。
普段とかけ離れた生活も悪くねぇな。