こんなに犬が気に入ってんなら、買ってやりたいけど………


さすがに動物となるとキツイものある。


恋華が抱きしめる犬の頭を指先で撫でると、気持ち良さそうに目を細めた。


「そうだなー……同棲したら買ってやるよ」

「へへっ♪楽しみに待ってる」


ペットショップを出たあとは、外は薄暗くて帰るにはいい時間。


デートでこんなに歩き回ったのは初めてだ……。


駅ビルの外に出ればさっきよりも人口密度高くなってる。


「そろそろ帰るか……。明日も学校あるし」

「うん……寂しい、です…」

「明日も学校で会うから……そんな顔すんな」

「……伊月くん…」


ギュッと俺の右腕に抱きつく。


恋華が積極的だ……!


でも、さすがにもう二人でサボリ休みすんのは無理あるか……。


「送ってくから。ほら、手繋がねぇの?」

「繋ぎます……」


俺だって恋華のこと帰したくねぇよ。