《伊月side》



こんな普通のデートしたことない。


今まで付き合った女なら、知ってか知らずか高級品ばっかねだってきた。


でも恋華は違う。


恋華といたらこんな地味なデートも意外と楽しい。


1日が早く感じる。


「このネックレスかわいい~♪」

「俺は……こっちの方が似合うと思うな」

「こっちもかわいいね!伊月くんてやっぱセンスいいです…」

「だろ~?伊達にセレブじゃねぇんだよ」


色んな女にねだられてセンス覚えちゃいました、なんて言えない……。


恋華の場合、物をねだってこないから尚更買ってあげたくなるし。


「こんなに買ってもらって……申し訳ないです…」

「俺が好きで買い与えてるから気にすんな」


髪をくしゃっと撫でれば、照れたように笑う。