こんなジメジメ梅雨の中、俺様お坊っちゃまは歩いてくれるかな~?


とりあえず、あたしは大和くんにお礼して二人で学校の玄関を出た。


「よし……まず、バス停まで歩きます!」

「歩くって……この雨の中?」

「そうです!大丈夫!傘あるから!」


今明らかに嫌そうな顔したよ~……!?


ピンクの水玉の傘で相合い傘。


腕が非常にツライんですけども……。


「貸せチビ。俺が持つ」

「あ、ありがとう……」

「つーか、もっと寄れ。濡れるから」

「うん。優しいね、伊月くん」

「別に。俺はチビに傘持たせてノロノロ歩きたくないだけ」


ツンと表情でいるけど、優しさは伝わってる。


あたしの方に傘を寄せてくれてるせいで、伊月くんの肩が少し濡れてるもん。


あたしはそっと傘を握って、伊月くんの方へ傾けた。


そしたら、照れくさそうに笑ってくれた。