数学の計算を着々と解いてくチビ。
コイツ頭いんだ。
そりゃあ、特別クラスにいるからそこそこは勉強できると思うけど。
「ねぇ、今日さ!俺とカラオケでも行こ!」
「今日は……ごめんなさい…」
「え~…何もしない!遊ぶだけっ♪」
泣きそうな顔で困ってるチビは、大和に言われるがまま。
「大和。もうやめとけ」
「へ~……珍しいね。気に入ってんの?」
「ちげーよ。人の駒取んなってこと」
「くくっ!だって。恋華ちゃん、伊月のことよろしくね?」
「バカ!変なこと言うな」
口説かれて困ってたチビを無意識に助けてた。
違う。
俺は……ただ自分のモノが取られたくなかっただけで感情は入ってない。
結局、チビは数学の課題を終わらせて教室に戻って行った。
アイツ……使えるな。