特に何をすることもなく、世間話程度で夜を過ごしていると柳田さんが部屋に来た。
「伊月様、恋華様。夕食の準備が出来たようですので……」
「飯だって。行くぞ、恋華」
「やったー♪ご飯です!」
お抱えのシェフが作るらしいから、美味しいご飯なんだろうね~!
イタリアン?それともフレンチ?
和食だったり………?
高級なご飯しか浮かばない!
「恋華って、嫌いなモンねぇの?」
「ないです!もー……すっごく美味しい♪」
「ありがとうございます。恋華様」
丁寧にお礼を言ってくれるシェフの側で、高級イタリアンを頬張るあたし。
幸せ……。
伊月くんは毎日こんなに美味しいご飯食べてるんだね!
「伊月くんが羨ましいです…」
「意外と窮屈なこと多いのに?」
「そっか……」
笑ってはぐらかす伊月くんにそれ以上は聞かないよ。
だって……婚約者の件とか色々大変だったもんね。