「早く、乗れチビ」
「う~…は、はい…」
放課後、柳田さん運転の高級車で伊月くんのお家へ。
相変わらず大きくて広い!
庶民のあたしは、伊月くんから離れたら迷子になりそうです……。
「なにボケッとしてんの?」
「伊月くんって一人っ子だよね?」
「まぁな。それがどした?」
「一人でこの部屋の広さはズルイです!」
「じゃあ~……お前も住む?この部屋。毎日寝不足になると思うけど」
その言葉にドキッとして全身が熱くなる感覚。
そんな伊月くんの言葉があたしをイチイチ惑わせるんだから……
当の本人は「冗談」って笑ってる。
あたしはそんな余裕もなく、うららちゃんからのプレゼントが入ってるカバンを見詰めた。
ダメ!
尚更、恥ずかしくなるから……!