《伊月side》
ケータイ画面の日付を見て初めて気付く。
今日から3月だ。
ってこは、恋華の誕生日も近いわけで……
今の俺は恋華に何をしてやれるだろう。
そんなことを考えてボケーっとしてる俺のところに張本人が来る。
……張本人!?
「伊月くん……。ごめんなさい」
「恋華?なしたの?」
放課後の人が行き交う廊下でペコッと頭を下げる。
「実は今日、課題を忘れてて……居残りなのですよ。先に帰ってて?」
「いいよ。待ってる」
「ううん!ほんっとに遅くなるから!」
「そこまで言うなら……分かった。頑張れよ」
恋華の頭をポンポンと撫でて、俺は一人で玄関へ。
……車来てないし!!