大和くんは苦笑して「そっか」と答えた。


お互いが好きなのに、こんなにスレ違う恋って初めてだ。


みんなが幸せになれるって無理なのかな?


「俺ね~……菫と小学生ん時から知り合いでさ。ずっと好きだったんだよね」

「幼なじみって感じですか?」

「あー!それに近いわ!」


菫ちゃんのことを話してる大和くんは、すごく楽しそうであたしまで笑顔になる。


よっぽど好きなんだよね。


「好きなのになぁ~……相手が伊月ってシャレにならんね」

「そんなこと言ったら……あたしだって菫ちゃんが相手ですよ」

「ははっ!俺らおんなじ立場じゃね?」

「切ないことに。でも伊月くんは誰にも渡さない!」

「それ伊月に言ってやったら喜ぶのに~♪」


けど、あたしも素直になれない一人なのです。


大和くんもあたしも………


好きな人を追い掛ける一人なんですね。