とっさに浮かぶのは伊月くんとの別れ。


ヤダ………別れたくないよ……。


そんな泣きそうで不安なあたしのところに伊月くんは朝に来てくれなくて……。


昼休みにいつも通り、空き教室でお弁当を食べる。


「伊月くん……美味しいですか?」

「ん。……うまい」


伊月くんが素直で口数が少ないです……。


不安な表情を隠すあたしは、それと同時に意味もなく溢れそうになる涙を堪える。


「恋華……?」

「……何でもないですっ。で、でも聞きたいことがあって……」

「なに?」

「週刊誌のこと……教えてほしい、かも……」


あたしが小さく言うと、びっくりした表情で見てくる伊月くん。


「なんで知ってんの?」

「うららちゃんから見せてもらって……。婚約者だもんね?」

「カタチであんな風にされてるだけなんだよ……俺はお前が一番だから、さ…」


分かってる。


分かってるのに切なくさせるこの気持ちは何ですか?