放課後、どこか元気のない恋華を車で家まで送って俺も家へ帰る。


「ん?……車停まってる。柳田、誰か来てんの?」

「いえ……来ない予定のはずですが…。私にも分かりません」


おんなじ様な黒塗りの車が敷地に停まってる。


嫌な予感がするせいか、心臓が激しく音をたて始めた。



「うふふっ……伊月~お帰りなさい。貴方にお客様が来てるわよ」

「知っます……」


俺に寄って来る母親を避けて、応接室に行けば制服姿の菫の後ろ姿。


「遅い。お父様達の話……貴方がいない間に終わっちゃったわ」

「知らねぇよ……そんなこと。とりあえず、ざっと内容教えろ」

「……心の準備はいいかしら?」


相変わらず、菫は表情を変えずに妙なこと言う。


心の準備もなにも……


早くこの状況の打開策を探したい。